聞きなれない特定調停とは特殊な債務整理法らしいけれど?!
この記事では私も知らなかった『特定調停』についての説明をしていきましょう。
そうは言っても「特定調停」って何なの?と思う人も少なくないでしょう。
何故ならば実際に記事を書いている私でも知らなかった方法の1つが「特定調停っていう債務整理の1つの方法」だったのであります。
しかしいきなり債務整理の1つだと言われても、実際には特別調停とは何なのだろう?って思いますよね?
っと言う事で、この何だか分からない特別調停について説明していきましょう。
なので特別調停と言うのは、個人や法人を問わずに「このままでは返済をして行く事が困難」だと思われる債権者と今後の返済方法などについて話し合いをします。
そして今後の生活や事業の立て直しを図るための手段として定められた整理の方法が特定調停といって、正式には「民事調停の特例」と言う事なのです。
特定調停とはどのような整理方法なのだろう?
この特定調停は負債者から調停の申し出があると、話し合いの期日が指定された書類が通達されます。
話し合いをする期日が決定したのちに、決定日には双方が呼ばれて調停委員による聞き取りがはじまります。
そして申立人からの聞き取りされる内容は
・生活や事業の現状
・今後の返済方法
などを確認した上で相手方に内容を伝えて現在の考えなどを聞きます。

そして双方の意見を聞いたうえで、残っている債務をどのようにして支払っていくのかを、公正かつ妥当な方法で経済的かつ合理的になるように双方の意見を聞きながら調整してくれるのです。
このように双方の意見を聞きながら調整するので『特定調停で合意した内容』は実質的な事を考えた上で公正に決められるので法律的な違反の見逃しもありません。
そして債務者の生活や事業の立て直しのためには適切な内容となるので「合意する」ことによって当事者双方にとっても経済的に合理的なものとなるもで安心して利用する事ができます。
ですがこの『特定調停』や『通常の調停』は一般的には知っている人が少ないせいなのか、行使されている頻度は少ないようです。
特に個人の人が事業を展開されている場合には調停よりも「個人再生」や「任意整理」をして再建を図る人が多いのも事実なのです。
特定調停の申し立て申請と費用はどれくらい必要なのだろうか?
大まかな流れや特定調整をする意味などは分かったような気がすると思いますので、ここからは実際に申し立てをする方法と費用について記載していきましょう。
先ずは「申し立てに関する手順」などを知ることからはじめますが、実際の手順確認のために日本の中心である「東京裁判所」を例として記載していった方がよいでしょう。
なので、まず最初に特定調停を申し立てる時にはこれらの書類などを準備する必要があるから、申請前に用意しておきましょう。
・特定調停申立書
・財産の状況が明確にわかる明細書など
・特定債務者である事を証明することが出来る資料
・権利者(債権者)の一覧表
・申立に必要な手数料(収入印紙)
・手続費用(予納郵便切手)
などの書類や手数料の準備をして裁判所に提出する事で申請そのものは完了します。
ですが申立ての内容によって変わってくるのですが、それ以外の書類等を追加提出しなければいけない場合もあります。
なので、書類を提出をしに行く際にはペンやボールペン(鉛筆書きは不可)で記入しなくてはいけないのは当然なのですが、追加資料を当日作成する為にも筆記用具は持参した方が良いですね。
因みにですが、パソコン等で作成した資料などでも問題ありませんので、字を書くのが嫌いな人はパソコンで作成するのも良いでしょうね。
東京簡易裁判所で調停の申し立てをする為の受付には、専用の申立書などを作成しなくてはいけないので、東京簡易裁判所に取りに行くかこの記事にアップしているPDFを使う事が良いでしょう。
受付場所と連絡先は
東京簡易裁判所墨田庁舎民事第6室調停受付
(TEL03-5819-0232)
相手方が1か所であれば規定数の枚数で良いのですが、相手方が複数ある場合には「相手方の数だけ作成」してそれぞれの書類を正本・副本2部ずつ作成する必要があります。
なので、先ほど記載した「東京裁判所に提出する」個人で使用する書類のPDFを下記に置きますのでダウンロードして使ってください。
※以下のリンクは「東京簡易裁判所より」引用したPDFファイルになります。
特定調停申立書 2部(正本・副本)
記入例 1-2:特定調停申立書(一般個人用).
財産の状況を示すべき明細書その他特定債務者であることを明らかにする資料 1部
記入例 2-2:特定債務者の資料等(一般個人用).
関係権利者一覧表 1部
表記載例 3-2:関係権利者一覧.
これらが「特定調停に必要な書類」なのですが、この書類は「個人向けの書類」なので法人の人は書式が別になりますのでご注意ください。
そして肝心の経費はどれくらい必要なのかも気になるところですが、申立手数料(収入印紙)を購入する金額は、相手方1人(社)の場合だと「500円分の収入印紙」が必要になります。
なので、もしも相手方が5人(社)の場合には2,500円が必要になります。
但し注意事項があって、相手方1人(社)に対して債務額元本が1,666,666円を超える場合には、追納の必要が生じることがあるので、額面を超える場合には事前に確認しておく必要があります。
そして「予納郵便切手」も必要となってくるのですが、相手方1人(社)にであれば「430円分(84円切手5枚と10円切手1枚)が必要になります。
そしてこの切手代も手続進行後に、場合によっては追加で提出しなければいけない場合もありますので念頭にでも納めて置いて下さい。
そして相手方に寄り切りなのですが「資格証明書を1部」用意する必要がある事もあります。
そして相手方が法人企業である場合には、借り入れをしている各法人の「本店所在地や名称及び代表者名が表示」されている現在事項全部証明書又は代表者事項証明書のいずれかを法務局で取得し提出する必要があります。
例外として提出を省略できる場合もあるようなので、迷った時には上記に記載した調停受付にお問い合わせした方が良いでしょう。
特定調停の具体的な進行ってどんな感じなの?!
その様な訳で、実際に特定調停の手続をする際にはどのように進められるのかが気になりますよね?
なので、例題として挙げている東京簡易裁判所で特定調停の手続きをすると言う設定で説明していきましょう。
裁判所では特定調停の申立てがあると、相手方(債権者)に対して裁判所から直接「申立書(副本)と申立受理通知等」を郵送という形で通達します。
通達の際には「申立人との間の金銭消費貸借契約書写し」や「取引履歴に基づく利息制限法所定の制限利率による引き直し計算書の提出」も同時に依頼しています。
そして調停期日中の進行としては、通常であれば最初に申立人(債務者)から事情を聴取する期日の確認をします。
この期日の事を「事情聴取期日」といいますので以後はそのように記載します。
そして事情聴取期日の後に相手方と債務額の確定や返済方法を調整する期日を定めることになります。
この返済方法を調整する期日は「調整期日」といいますので、今後はそのように書きますが期日を決めて内容を確認します。
事情聴取期日には申立人だけが裁判所へ来所する事になります。

そして調停委員と呼ばれる人が申立人に現在の生活状況や収入をはじめとして、今後どのように返済していくのかなどについて話し合う事になります。
そして調整期日には相手方(債権者)が来所する事になり、その時に債務者の現状とどの様にして返済をしていくのかを提示した上で「返済方法の調整を図る」と言う流れになるのですが、万が一相手方が裁判所に出頭できない時には、調停委員の人が相手方と電話で調整を行ってくれるようです。
あくまでも調停委員は中立の立場にいるので、相手方から提出された契約の書写しや債権額計算書をもとにして申立人との総債務額を確定出来る様にしてくれます。
当然ですが「申立人が返済可能な弁済計画案」を立てる事により、申立人と相手方の意見を聴いた上で「公正かつ妥当な返済方法の調整」を行ってくれます。
最終的な調整の結果を双方に提示した上で、合意した場合には「調停成立」と言う事になります。
そして相手方が出頭していない時などは「合意した内容の特定調停に代わる決定」がされる事になります。
ここまででが特定調停の流れとなり手続は完了しますので、完了後は申立人が合意した「内容とおり誠意を持って返済」していく事になります。
稀にあるようですが双方で折り合いが付かなかった場合には、残念ながら「合意ができないまま特定調停手続は終了」となってしまいますので申立人は「本来の返済方法で返済していく」か「別の手段」とは言っても、ここまでとなると「個人再生」か「任意整理」という方法になってしまうでしょう・・・。
特定調停を申込みした場合の手順や費用については以上のような内容になるのですが、この手続が終了するまでに必要とされる時間は通常で考えて「申立てからおおよそ2か月程度の時間が必要」とされているので、確実に和解してくれる要素がなければ申し立てを行うメリットは薄いように感じられます。
更に言えば、申し立てをする為には2回程裁判所へ出向く必要もあるので、時間的な都合などを考えても私はどうなのだろうかと思いますが、最終的には実行しようと考えているあなたに委ねられます・・・。